太陽光の売電単価の下落により、営農型発電(ソーラーシェアリング)をこれから始める方はハードルが高くなったようですが、農家がお勧めする栽培作物を紹介します。
一時転用の書類作成と毎年の実績報告をする場合に、どの様な作物が適しているか、簡単に紹介します。
ソーラーシェアリングに最適な作物とは
大前提として、連作障害が少なく大型機械が不要な作物を選びましょう。
生姜、みょうが、各種山菜、榊、広葉樹の苗等
水稲の苗(苗箱での栽培のため連作とは無縁、機械化及び販売収入が得られる。)
逆に適さない作物は
適さない訳ではないが、遮光率を高く設定できない作物の場合は、架台の規模が大きくなり専用の太陽光パネルが必要になるので、太陽光施設としての効率が悪くなる。
「単収が同じ年の地域の平均的な単収と比較しておおむね2割以上減少しないこと」をクリアするのが大変な作物や、トラクター等の作業が頻繁に必要で、接触事故で架台を壊す恐れがあるものも、お勧めしない。
水稲、トマト、ナス、ピーマン、オクラ、大豆類、すいか、メロン
これらの作物も遮光が必要な地域もありますが、品質と面積あたりの収量を確保するのが大変になることが、明らかな為にお勧めしません。
※水稲は湿田のため太陽光施設にトラブルが発生した場合作業が大変です。
原木シイタケ
これも駄目、原木が重く結構大変。
事業用の場合、3年毎に原木を購入する必要あり
収量のハードルも高い、原木の値段が高い
半陰性植物はどうなの
アスパラガス、ほうれん草、レタス、いちご、春菊、にんにく
これらも高遮光にするには厳しく、収量減が2割以内を毎年クリアするのは厳しいと思われます。
連作障害とソーラーシェアリング
最初はうまく育ったのに、数年後はなぜかうまく育たないとか、作物が病気になって収量が確保できない状態を一般的に連作障害といいます。
連作障害が多い作物
トマト、ナス、ピーマン、きゅうり、メロン、スイカ、白菜、キャベツ、ブロッコリー、大根
連作障害は輪作で回避するが
連作障害も、作物によってそれぞれ原因が違います。対策方法などがある作物もありますが、太陽光施設の下部に栽培して、毎年の収量の報告が必要なソーラーシェアリングの場合は連作障害は致命的です。
栽培する作物を変えれば(輪作)、回避できる場合は多々ありますが、3年毎の一時転用に輪作計画も盛り込めばよいかも知れませんが、そこまでして収穫したいかと言うことです。
おそらく殆どの方は、太陽光収入9割、農業収入1割以下となる場合が殆どと思いますので、連作障害の発生の無い作物で、計画をする方が毎年の報告と3年毎の一次転用書類が作りやすくなります。
毎年の報告で収量が2割以上少ない場合は、対策などを求められる可能性大です。
最後に
そもそも、農業未経験の方はソーラーシェアリングはお勧めしません。
毎年の報告が面倒な事と、耕作者が倒れた場合に営農不能に陥るリスクを考えると、全転用した方が良かった気がします。
コメント